第10回 青春かながわ校歌祭のご報告

開催日時:2015年10月17日(土)

10月17日(土)、10年目を迎えた「青春かながわ校歌祭」が秦野市文化会館で開催されました。県央地域で初めての開催です。

前夜の雨は上がりましたが、午前中は丹沢山系、大山の頂は厚い雲に覆われ、望むことができません。しかし、開会時間の午前11時過ぎには雲も少しずつ消え、日が射してきました。まるで、10回目の校歌祭を祝福するかのようなタイミングでした。


主催 かながわ校歌振興会
共催 神奈川県教育委員会
開催日時 2015年10月17日(土)
会場 秦野市文化会館
参加同窓会数 参加同窓会数:26校(同窓会)(初参加:新城高校、横浜国際高校)
<翠嵐会参加概要>
演目 校歌
創立100周年最優秀記念歌「もう一度逢える」
指導・指揮 熊坂 良雄(高12回)
ピアノ伴奏 依田 慶子(高25回)
学校紹介 伊藤 緩音(音楽部1年)
担当 担当校歌祭実行委員会
打ち上げ 北京飯店(大和市) 


<「101年目の翠嵐」の3つの挑戦>

出場者は卒業生78名、在校生15名の総勢93名。入場はピタリ決まり、きれいに等間隔で整列しました。出場21番目、翠嵐のステージが始まります。

昨年(2014年)に創立100周年を迎えた「翠嵐」は「次の100年」へのスタートを意識して、新たな挑戦を採りいれたステージを構成しました。

翠嵐会は100周年記念歌「もう一度逢える」と校歌を混声四部合唱しましたが、今までとは雰囲気をまったく変えました。

吹奏楽部の若いOB・OGのトランペット隊も応援部OBのリードもエールも、応援歌もありません。彼らも歌で参加です。



挑戦①

今回初めて、在校生の1年生の伊藤緩音さん(音楽部1年生)に学校紹介をお願いしました。彼女は今年の入学ですから100周年を知りません。ですから「原稿は用意してほしい」との要望でした。

明るく、通る声が会場に響き渡りました。落ち着いています。

第10回 青春かながわ校歌祭 「私たちは昨年創立100周年を迎えました。校歌祭にご参加の高等学校、同窓会の皆様には記念式典・演奏会にご臨席賜りありがとうございました」 ここまでは原稿通りです。しかし、言い終わるとゆっくりと深々と礼をしました。そこで会場からは大きな拍手がわきました。予想していなかった行動に終わってから聞きました。
「あの礼はお母さんに言われたの?」
「いえ。自分で考えました。感謝を述べた後は礼をするのが当たり前だと思って…」。

なんと素晴らしい後輩なのでしょう。後半は高校生らしく自分で原稿を書き直したそうです。

挑戦②

「暗譜」です。

譜面を持たず、全員が前を向いて、表情豊かに歌う姿は聴いていて感動的でさえありました。熊坂良雄さん(高12回)の指揮、依田慶子さん(高25回)のピアノ伴奏に乗って素晴らしいハーモニーを聴かせてくれました。

1曲目は創立100周年最優秀記念歌「もう一度逢える」。

練習の時の熊坂さんの第一声は歌うときの心構えについて。
「作詞者の言葉を大切にして、意図を最大限に表現しましょう」。
「100周年ではオーケストラをバックに歌いました。校歌祭はピアノ1台です。歌が勝負です」
こうしてノセられ、いや激励され、出演者は必死で練習したに違いありません。
「ながい・坂道は必ず、休符を入れること。ながいーサカミチでは“坂道”じゃなくなっちゃいます」
「キミ・ボクは上品に、オレ・オマエはワイルドに…」

第10回 青春かながわ校歌祭 熊坂さんが言葉の一つ一つを紡ぐように解釈して、指導してきた成果が実を結びました。

贔屓の引き倒しかもしれませんが、一番拍手が大きかったと思います。他校の方々からも「良い歌を作ったね」と称賛の言葉をいただきました。

2曲目は校歌。「校歌は年々良くなっていますよ」という熊坂さんの言葉通り、最高の出来でした。暗譜ですから、全員が指揮者を見て、伴奏を聴いて、歌い上げました。会場には、高4回卒業生から現役1年生までの、世代を超えたハーモニーが響き渡りました。

改めて「翠嵐の校歌は良いなぁ」と多くの方がそう思ったでしょう。

挑戦③

エール、団旗なしのステージでした。

第1回の参加から応援部OBが第一応援歌のリードとエールを行い、第4回からは校歌のリードとVエールも行ってきました。参加者、観覧者からは「この年になって○○君のエールをもう一度見られると思わなかった」と好評でした。

また、横浜平沼高校と出番が並ぶときはエールの交換を行い、「翠平戦」を復活させたりもしました。

しかし、今回は校歌と100周年記念歌を歌うことにしました。7分の持ち時間に納めるためには記念歌を2番抜きで歌うしかありません。実行委員会では議論の末、第一応援歌は今回歌わない、エールもやらない、ことにしました。したがって団旗の登場もありませんでした。

例年リードを執ってくれた応援部OBは合唱に参加しました。第一応援歌の伴奏をしてくれた吹奏楽部OB・OGのトランペット隊も“手ぶら”で合唱に参加してくれました。

そうです、歌唱で勝負です。

 

<「100周年」からのたくさんの贈り物>

昨年(2014年)の「創立100周年記念式典・記念演奏会」などの記念事業を行ったことにより、新たな環境で校歌祭に臨めました。

選曲はもとより、準備、練習、本番当日などあらゆるところに100周年で培った人間関係や経験が活かされたと実感いたしました。

贈り物①

ステージで歌った創立100周年最優秀記念歌「もう一度逢える」です。この作品を生んだのは「100周年」です。 卒業生、在校生対象に歌詞を公募し、入賞作品に音楽監督の手使海ユトロさん(高20回・作曲家)が曲をつけました。作詞者の清水映二さん(高20回)は偶然にも同期でした。 今回は歌いませんでしたが優秀記念歌は鈴木真祐子さん(高66回・受賞時は3年生)が作詞した「空路(そらじ)」が受賞しました。

贈り物②

「翠翔みらい館」で練習をしました。

100周年記念事業で学校に贈呈した特別教室は2室をつなげて使用すると練習にピッタリでした。

パートも本番と同じ並び方ができ、伴奏も良く聞こえます。今回の美しいハーモニーの陰の功労者かもしれません。

贈り物③

翠和会からお手伝いをいただきました。

企画・準備から本番まで裏方を務める実行委員は16人。今回から新たにサポートメンバーを設置し、様々な場面でお手伝いをいただきました。

練習には翠和会から翠和会会長岸本由美さん、前会長甲斐由美子さん、前副会長吉田千佳子さんが助っ人に来てくれました。前回までは見られなかった光景です。

贈り物④

実行委員もステージで歌うことができました。

今までは当日の業務分担があり、実行委員は歌いたくてもステージに上がれませんでした。今回はサポートメンバーのおかげで半数がステージに上がることができました。やっぱり実行委員には歌が好きな人が多いです。サポートありがとうございました。

贈り物⑤

在校生との距離が縮まりました。

在校生の参加は音楽部の男女、1年生9人、2年生6人の15人でした。今回は在校生の“活躍”の場が多くありました。

練習初回はまだ緊張気味でしたが、終わるころには気持ちもほぐれ、参加者に混じってイスと机をきれいに戻してくれました。

2回目からは最前列に陣取り、積極的に参加し、後片付けも率先してやってくれました。

今年の1年生は“去年が100周年”の入学です。私たち高校20回は“去年が50周年”の“ついてない”入学で、同じ境遇なので親しみを感じます。しかし、50年後の「創立150周年」には中心になって関わるはずです。高校生活の思い出の一コマに校歌祭やそれに向けて老体に鞭打って働く先輩たちの姿を加えてもらえたらと思います。きっと、50年後に頑張る原動力になると思います。

そして、在校生参加の象徴的な出来事は前述した「学校紹介」でした。

在校生との交流も深まると、卒業生のオジサン、オバサンはついつい自分の高校生時代と較べてしまいます。そして、「50年前のオレはあんなことを言えなかったよ」と驚き、「今の翠嵐生は頼もしい」と独り言ちるのでありました。



“学校紹介”の大役を果たしてくれた伊藤さんがメッセージをくれました。

「私たちは3回という短い練習の中、懸命に、かつ楽しく励むことが出来ました。それは和やかな雰囲気の練習を作ってくださった先輩方のお陰です。こんな素晴らしい先輩方と同じ翠嵐に通えていることを改めて誇りに思いました。今回、校歌祭で先輩方と共に発表が出来て良かったです。素敵な時間をありがとうございました」

横浜翠嵐高等学校1年 伊藤 緩音(音楽部)

<打ち上げ>

恒例となった、出演後に会場を移しての「打ち上げ」。今回は悩みました。校歌祭の会場が秦野で、土地勘も“店勘”もなく、しかも帰りに時間がかかります。

しかし、「世代を超えた交流の活性化」が目的の校歌祭ですから、打ち上げは不可欠です。

そこで思いついたのが小田急線と相鉄線が交わる「大和」です。地元の事情通から情報を得て、駅から徒歩1分にある「北京飯店」を下見し、予約しました。5月のことでした。

参加者数が気になりましたが60人もの方が参加してくださいました。  

4月に着任した佐藤到校長は当日『定時制通信制生徒生活体験発表会』出席し母校定時制生徒の発表を聞き、秦野に駆けつけ、翠嵐のステージを聴いてくれました。そして、打ち上げではご挨拶をいただきました。

打ち上げは会長挨拶、校長挨拶、乾杯、歓談、一人一言と続きました。思い思いの感想を述べたり、他の活動のPRをしたりと内容は多岐にわたり、密度の濃い楽しい時間でした。
最後に実行委員会音楽部長の有賀伸興さん(高13回)が閉会挨拶をされ、高校21回応援団長の小西庸二さんが、今年はステージで見ることができなかった第一応援歌、校歌のリードを執り、Vエールでお開きとなりました。

<「第10回青春かながわ校歌祭」を終えて>

今回の校歌祭は「101年目の翠嵐」を合言葉に新たな気持ちで臨みました。出場が目的ではありません。準備、練習を通して卒業生の世代間交流の促進することこそが目的です。

実行委員は裏方として皆さんに喜んでいただき、達成感を味わいたくて半年以上活動してきました。

10回目という節目の校歌祭を無事に終えることができました。来年も多くの卒業生、在校生、翠嵐に関係する方々が集い、交流を深められるよう努めてまいります。

参加してくださった皆さん、応援してくださった皆さん、すべての方々に感謝申し上げます。

来年の校歌祭は次の通り開催される予定です。練習日程等は来年4月頃に翠嵐会ホームページ、facebook等でお知らせいたします。ご参加をお待ちしています。 また、実行委員に名乗りを上げてくださる方、サポートメンバーに加わってくださる方をお待ちしています。
【第11回青春かながわ校歌祭】
日時:2016年10月15日(土)
会場:神奈川県立青少年センター ホール

(文責:翠嵐会音楽委員会 校歌祭実行委員会 委員長 馬場洋一)

 

<校歌祭実行委員会メンバーおよびスタッフ>
 
  名前 卒業回
指導・指揮 熊坂 良雄 高12回
ピアノ伴奏 依田 恵子 高25回
 
実行委員長 馬場 洋一 高20回
実行委員 有賀 伸興 高13回
加藤 英記 高18回
長谷川 均 高18回
川島 洋子 高19回
齋藤 晴雄 高19回
杉原 和子 高19回
川上 彰久 高20回
小西 庸二 高21回
山崎 俊一 高21回
山崎 康幸 高21回
文屋 等 高21回
佐藤 順子 高22回
里見 正憲 高24回
樋口 圭 高42回
杉田 祐一 高59回
サポートメンバー 越村 道夫 高14回
藤田 敬 高20回
上田 恵子 高20回
鵜飼 厚子 高20回
岸本 由美 翠和会
甲斐 由美子 元翠和会
吉田 千佳子 元翠和会